電池寿命の見積もりや省電力化には、動作中のピークだけでなく、スリープを含む時間全体の電流が必要です。このガイドでは、AX05B I Measを使ってリーフ側の電流を測定し、同じ条件で変更前後を比較する方法を説明します。
計算の考え方は省電力設計と電池寿命を参照してください。このページは測定手順のガイドであり、特定の構成の実測値や電池寿命を示すものではありません。
1. 何を測るか決める
Section titled “1. 何を測るか決める”| 知りたいこと | 測定する場所 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| MCUやセンサの設定変更による効果 | AX05BのV33ライン。測定対象を上側、給電元を下側に配置 | 測定器を通って上側へ流れる3.3Vラインの電流 |
| VBUSを使用する回路の電流 | AX05BのVBUSライン | 測定器を通るVBUSラインの電流 |
| 電池から見た装置全体の消費 | 電池と電源リーフの間 | 電源変換回路の損失などを含む電池側の電流 |
3.3Vラインの電流は、電池から流れる電流と同じではありません。 AX05Bより下側の回路や、測定していない電源経路の電流も含みません。電池寿命を評価するときは、電池側での測定または電源変換の影響を考慮した計算が必要です。
2. 電源経路と測定器のモードを確認する
Section titled “2. 電源経路と測定器のモードを確認する”以下は、電源リーフから供給されるV33をAX05Bで測る場合の電流経路です。配線の変更はすべての電源を外してから行います。
電池 → 電源リーフ(AX05Bより下) → AX05B V33IN → 電流測定器 → AX05B V33OUT → 測定対象のMCU・センサ・通信リーフ(AX05Bより上)Nordic Power Profiler Kit II(PPK2)には、外部電源の電流を測る Ampere Meter と、測定器自体が電源になる Source Meter(SMU) があります。モードによって給電元と配線が異なります。メーカーの電源・モード説明を参照してください。
| モード | 給電元 | このガイドでの扱い |
|---|---|---|
| Ampere Meter | 電池・電源リーフなどの外部電源 | 上の経路で、電流計を直列に入れて測定する |
| Source Meter(SMU) | PPK2 | 別の構成。出力電圧と給電対象を決め、対象へ給電する他の電源経路を外してからメーカー手順で接続する |
この後の手順は Ampere Meter を使用します。PPK2を接続したままモードだけを切り替えて、同じ配線で使わないでください。
3. AX05Bに電流計を接続する
Section titled “3. AX05Bに電流計を接続する”はんだ付け、ピン番号、接続写真はAX05Bの電流測定手順で確認できます。
| PPK2 | AX05B J1(V33) |
|---|---|
| VIN | V33IN(3番) |
| VOUT | V33OUT(2番) |
| GND | GND(1番または4番) |

- 測定するV33のIN/OUT間は、電流計を通す経路にします。並列のジャンパーが残ると測定器を迂回します。
- 測定しないVBUSは、AX05Bの手順に従ってIN/OUTをジャンパーで接続します。ただし、VBUS経由で測定対象へ電力が入る場合、V33の測定値だけでは対象全体の電流になりません。
- 測定対象の上側にUSBリーフなどの給電元があると、電流計を通らない経路ができる場合があります。バッテリ動作を測るときは、Leafony側のUSBなど不要な給電元を外します。PPK2自身を動かすUSB接続とは区別してください。
- 測定器の入力電圧・電流範囲に収まるか確認し、電流計を追加したことで対象がリセットしたり、通信に失敗したりしないことを確かめます。
PPK2の端子用途はメーカーのコネクタ説明、操作はAmpere Meterモードの手順も参照してください。
4. 動作とスリープを含む一周期を記録する
Section titled “4. 動作とスリープを含む一周期を記録する”- リーフの型番・改版・積層順、ファームウェアの版、測定器、電源電圧、測定日・温度を記録します。
- 電源投入時の起動・通信接続の波形を記録します。初回起動と定常動作の記録を分けておくと比較しやすくなります。
- 定常動作では、起床 → センサ読み取り → 送信 → スリープ → 次の起床までを記録します。電流が低い区間だけで平均を出さないでください。
- 測定・通信が正常に完了していることをログや受信結果で確認します。接続のやり直しなどで周期が変わる場合は、複数周期を記録します。
- 比較に使う区間の長さ、平均電流、ピーク電流と波形を保存します。
5. 同じ区間で平均を比較する
Section titled “5. 同じ区間で平均を比較する”状態ごとの電流を一定とみなせる場合は、次の式で時間平均を求められます。電流が変動する場合は、測定器が記録した全区間の平均を使います。
平均電流 = Σ(各状態の電流 × その状態の時間)/ 記録区間の合計時間電圧が変化する場合は、電圧と電流の積を時間平均して平均電力を求めます。3.3V側と電池側の電流を直接比較せず、同じ測定位置と給電条件を使ってください。
| 条件 | 比較区間 | 平均電流 | ピーク電流 | 正常に測定・送信できたか |
|---|---|---|---|---|
| 変更前 | 測定後に記入 | 測定後に記入 | 測定後に記入 | 確認後に記入 |
| 変更後 | 測定後に記入 | 測定後に記入 | 測定後に記入 | 確認後に記入 |
6. 一つずつ変更して確かめる
Section titled “6. 一つずつ変更して確かめる”測定間隔、無線送信間隔、未使用センサのスリープ、MCUの動作周波数などから、一度に一つだけ変更します。省電力化のアイデアを参考にし、同じ測定位置・電圧・比較区間で再測定してください。
平均電流が下がり、必要な測定頻度・通信成功・応答性も維持できたら、その条件での改善を確認できます。最終的な電池寿命は、使用する電池、温度、通信条件で装置を動かして確かめてください。